東北三十六不動尊霊場 結願札所
福島八十八ヶ所霊場 結願札所
福島浜通り十二薬師霊場 第一番



石段下より本堂を見上げる

天平6年、東北地方に大地震有り。

次いで疫病が流行し、病に倒れるものその盧舎を壞り、圧死するもの日夜相次ぎ惨状目もあてられず、大和国鷲峰山の住僧源観上人遙かにこの悲報を聞き座視するに忍びず。

善無畏三蔵伝来の秘仏たる薬師如来を護持して険を冒し難を凌ぎ当地に至り剣が嶺に上り草堂を営み尊像を安置し、三七日間精魂を傾け丹精を抽んでて祈願を凝らしたる霊験空しからず、さしもの疫病も終熄するに及び、上人錫を巡らし大和に帰らんと尊像を霊龕に蔵めんとす。

何ぞ測らん尊像の重きこと大盤石の如し。

上人この奇瑞に驚き、この山こそ正しく尊像有縁の霊地なりと感得、草庵を結びここに止住して日夜修法と写経に精進せり。

この折に写経せる数百巻の薬師本願経を埋めたる山頂を経塚と称し現在本堂の背にあり。

後72年を経て、大同元年徳一大士当山に詣でたるに、剣が嶺は坂路険阻にして且つは風雪の被害甚しきを観取し山中を巡覧して、現在地に堂塔伽藍を造営し、今日までに連綿実に1,200余年を閲している。

当山は真言宗智山派に属し、境内は3万3千坪、数百年を閲する杉、檜、林立し、その間に巨巌点綴する様は将に天下の霊域の名に恥じない。