『永代大雑書萬暦大成』より
真言密教においては、自分の生まれ年により本命星・元辰星という北斗七星より導かれる星と、一年一年違う星が我々に影響を及ぼすとされる九曜より導かれる當年星という三つの星があります。各自がそれぞれの星に祈願することにより魔を払い福を呼び込むとされています。その他、生年月日より本命宿という二十八宿から一宿を導き出し、修行を行う日、日の吉凶、他人との相性、性格、運勢等を見る密教占星術(宿曜占術)が、宗祖弘法大師により日本にもたらされ、真言密教に受け継がれているのです。ここでは、皆様にご自分の本命星・元辰星を知っていただきたいと思います。

本命星・元辰星とも、北斗七星から導き出されます。「守り本尊を知りましょう」の所において、「子年生まれの人は、北斗七星の一つである貪狼星よりこの世に生まれた」等と十二支によりそれぞれ北斗七星の一つの星が書いてありますが、それが本命星に当たります。ですから子年の人であれば、貪狼星が本命星というわけです。

本命星は、自分の生まれ出た星であり、生涯を通し自分を守護してくれる守護星です。寿命を司り、禍福を与える等、私たちの先天的な宿命をあたえる星です。それに対し、元辰星とは、後天的な運命、すなわち社会生活における地位や財産、健康等を司る星とされています。また、本命星を父、元辰星を母と見、本命星が陽の部分を司り、元辰星が陰の部分を司るともいわれています。

本命星は現在も導き出され行や修法において用いられていますので、是非覚えていただき、日々ご自分の星の御真言をお唱えし守護を受けていただきたいのですが、元辰星まで使う行や修法はほとんどなくなっており、普段は「南無元辰星」とお唱えするのみで、真言まで唱えることはありません。というのも、古来より流派により元辰星の求め方については何通りかあまして、果たしてどれにしたがうべきか疑問があります。取りあえず、載せておきましたが、ご参考程度にしていただきたいと存じます。

また、本命星・元辰星により運勢等を見ることはありません。簡単な星の解説を載せてますが、それは星自体の性格とご理解いただき、本命星・元辰星は自分をお守り下さる天の守護星として、日々ご信仰下さい。